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【本】 『眠れる森』 (野沢尚)

眠れる森 眠れる森
野沢 尚 (1998/12)
幻冬舎
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眠れる森 A Sleeping Forest』(ねむれるもり)は、フジテレビ系で放送されたテレビドラマ。

放映日は、1998年10月8日〜12月24日の毎週木曜日22:00〜22:54。ただし、初回は22:00〜23:14(20分拡大)、最終回は22:04〜23:24である。全12話、平均視聴率は25.2%、最高視聴率は最終回の30.8%。

連続ドラマ初の本格ミステリー作品であり、その後の多くの連続ドラマに影響を与えた。非常に優れたシナリオ・設定で、不審な行動をする人物が次々と現れたり、主要人物が死んでゆく展開に、当時の視聴者は引き込まれていった。

蘭専門の植物園で働く実那子(中山美穂)は、3ヶ月後に恋人・輝一郎(仲村トオル)との結婚を控えていた。実那子自身は当時の記憶を失っているが、実は15年前の市議会議員一家惨殺事件の生き残りの次女である。事件直後、警察は実那子の姉である貴美子と恋人関係にあった国府(陣内孝則)を逮捕した。
ある日、実那子は事件の直後にもらったラブレターを見つけ、その差出人に会うため故郷の”眠れる森”に出かける。そこに待っていたのは、実那子の過去から現在までを全て知る謎の男・直季(木村拓哉)だった。
惨殺事件の容疑者として逮捕され仮出所中に逃亡し、実那子を監視する国府の目的とは?
実那子の葬られた記憶と過去、惨殺事件の真実が明らかになっていく・・・。
『眠れる森』は僕が高校3年の時にフジテレビで放送されていたミステリー系のドラマで大変支持されていた。最終回が放映された1998年の12月24日にシナリオ集である本書が出版された。僕は釣られて買った内の一人になる。パラパラと本書をめくって流し読んだり、当時放映されていたドラマを思い浮かべるに、今思えば、そんなに大したものでもなかったと感ずるわけだが、あの頃は、ドラマのようなものを観るのではなく映画を、と思ってもちょっと凝ろうと思ったら相当金がかかる、金をかけるということは時間をかけると同じ事で結局それだけになる、それがやはり辛かった。ツタヤで無料で配布されている分厚い映画ガイドブックを貰って読みながらあれも観たいこれも観たいと思ってもなかなか叶えられない。その点、ドラマは金がかからない。貧乏人の味方であるからして、手軽な趣味で良い。

 例えば、この季節になると野球が恋しくなるわけだが、僕は別に野球部だったわけじゃない。野球部に入らなかった理由の一つに、これは一番の理由ではないが、入ったらほとんどそれだけの3年間になる、というのが嫌だった。一筋に生きるというのは傍から観ていて憧れるのだけど、それはなんていうか、なんとなくドラマ的に軍人に憧れるようなもので、じゃあ実際に野球部入りなさいよって云うと絶対嫌だった。今はほんのちょっとだけ入っても良かったかな、と思う節もあるが、やっぱり色んなことに足を引っ掛けておきたいと強く願った。それは将来がどうとかという堅実さが付き纏いながらも、一方で、青春だぜ、恋愛だぜ、というのとも方向性は少し違えど性質はかなり似ているのかもしれないが、要するにそれしかないというところに不安があった。将来の自分の姿に対する漠然とした不安というよりも将来の自分から振り返って見た時の自分の姿に不安があった。村上龍じゃないけど、やっぱり人は楽しい思い出が好きだし、楽しい思い出の蓄積に救われるわけで、自分にとって一番楽しい思い出を作るために誠実に生きるために一筋の道とは違う、手軽で多岐にわたる道をとった。というと、格好つけすぎで、要するに世間的に一番質の低い道をとったわけだが、今はそれであんまり後悔してないというか、結果として色々な映画や文芸作品に触れ続けることのできる知的好奇心と機会に恵まれたと思ってるし、この『眠れる森』の本を手にとってみると、あ、あの頃楽しかったんだと色々な記憶が呼び起こされる。ただ、恋愛は自分の選択肢にはなかった。あれは自分の中で野球とかと一緒で一筋の部類だから、それはドカベンの野球漫画と一緒で架空の世界の話や想像で良かった。恋愛に対する願望は無かったといえば嘘だけど、それをとるなら野球をやる。ロック音楽とか恋愛とかそういうのに嵌るなら野球をやる。

 本書『眠れる森』のシナリオ集は僕にとって高校時代のどうしようもない軽さを象徴するアイテムで、今はドラマなんて全然観なくなったが、映画観る金を工面するのも大変だった頃にテレビドラマという映像娯楽作品は、質はともかくとして、無料で観られて手軽でとても有り難い存在だった。石を積み上げてズデンと構えるのもいいけど、軽石集めて気に入ったのを好きな時に取り出せるっていうのが僕にとっての趣味人。
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