【映画】 『ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス』
![]() | ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス【劇場版】 栗田貫一 (2000/03/23) バップ この商品の詳細を見る |
ストーリーは、ノストラダムスの予言と宗教が絡み合う舞台においてお馴染みルパンらが活躍するというもの。ノストラダムスの予言と云えば素人の僕でも1999年7月にアンゴルモアの大王によって人類が滅亡するという内容は知っていて、今となっては(今にならなくても、か)笑い話だが、1999年以前は将来への漠然とした不安を煽られたのか、かなり本気になって終末観を抱く人間もいたようだ。本作内ではそのノストラダムスの予言を利用して人々を惑わす宗教集団とルパン達との間で「失われた予言書」を巡る攻防が繰り広げられる。本作で描かれるノストラダムスの予言による災害は、ルパンらしいリアリズムに基づいたシニカルさでもって全て人為的なものという当然の帰結に至っているわけだが、その鑑賞側の視点をうまく利用してカルト教団に騙される人々の姿を風刺的に描けている。
内容的には盛りだくさんの作品で、ノストラダムスの「失われた預言書」の存在する「アースビル」の堅強さと、ルパンが生死不明の大ピンチに陥る演出はどことなくカリオストロの城に雰囲気が似ている。ロマンス演出もあり、ルパンと(記憶を無くした)不二子の間のエロティックな大人の男女関係描写とそれと対比的に描かれるゲストの子ども同士(ジュリアとセルジオ)の健全で微笑ましい男女関係描写は見事だったと思う。
ゲストとして出ているノストラダムスの「失われた預言書」の持ち主であるダグラスが自分の娘であるジュリアが誘拐されても、「子どもを返して欲しければ大統領選の出馬を取り止めろ」という要求に屈せず、己の野心を捨てきれないところと、それに愛想をつかす妻の姿と、いつも孤独であったジュリアの寂しさが作品をギスギスさせている面もあったが、最後はやはりダグラスも「親」であるところを見せ、家族愛・親子愛的な要素で本作のコースが締められている。その部分だけを抽出するとどことなくありがちなハリウッド映画っぽさでもあるのだが、全体として、それだけでは割り切れないほどに本当に盛りだくさんな内容の作品であった。
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