【映画】 『フラガール』
![]() | フラガールスタンダード・エディション 松雪泰子、豊川悦司 他 (2007/03/16) ハピネット・ピクチャーズ この商品の詳細を見る |
昭和40年、閉鎖の迫る炭鉱のまちを救うため、北国をハワイに変えるという、起死回生のプロジェクトが持ち上がった!目玉となるのはフラダンスショー。誰も見たことがないフラダンスを炭鉱娘に教えるため、東京からダンサーがやってきた。最初は嫌々ながら教える彼女だったが、生きるためにひたむきに踊る少女たちの姿に、いつしか忘れかけていた情熱を思い出してゆく。しかし世間の風当たりはつめたく、教える相手はドシロウト。果たして常夏の楽園は誕生するのか?オープンの日は迎えられるのか!?フラガールを観た。昭和40年、閉鎖の迫る炭鉱の町を救うために立ち上げられたプロジェクト『ハワイアンセンター』の目玉として企画されたフラダンスショーに炭鉱町の女達が挑む。
数々の賞を取った日本映画ということだそうだが、話の筋としてはありきたりというか、フルモンティを土台にして、ウォーターボーイズとかスウィングガールズとかのスポコン的な青春直球努力系という今の日本映画としてはありふれた、王道路線をとっていた。
俳優の表情・演技を魅力的に引き出して映す事に成功しており、炭鉱町の色褪せた風景と相俟って映像的には美しい。しかし、あまりにも直球勝負の王道過ぎてソツのない作りが逆に味気なく、フルモンティにあった独特の妙味のような、この作品にしかない味というものを感じることが出来なかった。丁寧に作られているのでメジャーとして胸を張れる作品であると思うし、面白いと感じるのだが、どこか物足りなさも同時に感じる。約120分という尺を活かしきれておらず、出会い・別れの同じパターンのドラマを半分半分で2回繰り返していて作品そのものに冗長さが漂い、メリハリの無さが映像への注意力を散漫にさせてしまう点も残念だった。南海キャンディーズの女が出ているからコメディ満載だと思ったら案外そうでもなかったのは良かったのか悪かったのかよくわからない。どうせ単調なドラマを繰り返すならコメディを入れても良かったとも思う。でも、各キャラクターの設定がナチュラルなのは○。
炭鉱町のハワイアンセンターが成功したという実話に基づかれて作られている作品なわけだが、ハワイアンセンターと云われても僕ぐらいの年ではピンと来ない。僕が子どもの頃はまだハワイというのはかなりのブランドだったわけだから、昭和40年でハワイといえばかなりのカリスマであったのかもしれない。とはいえ、町を救うためにハワイアンセンターというアイディアにどうしても噴出してしまいそうになるところがある。あの時代、同じように町の危機に立ち上がり、そして砕け散ったところがあるのだろう。その中で、福島のハワイアンセンターというのは一つの成功例として貴重であるかもしれないが、その後の、例えば竹下内閣のふるさと創生事業でお金をうまく活用したのは極一部でほとんどがまるで駄目だったようなものが、今も昔も、なのではないか。つまり、本作で描かれているのはあくまでも町の活気を維持するための必要条件であって、十分条件ではなく、一見するとひたすら一生懸命やって成功した、というだけの漫画的な作りに見える。しかし、若い人に一生懸命打ち込める環境を用意することの出来たハワイアンセンターの成功はこれは実は宝くじが当たったとか云う次元ではなく、経営管理の手腕として実はとてつもなく凄いレベルだったのではないか。昔も今もそしてこれからも地方がイキイキとするためのポイントが確かにこの作品には含まれている。
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