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【漫画】 『ハチミツとクローバー』 (羽海野チカ)

ハチミツとクローバー (1) (クイーンズコミックス―ヤングユー) ハチミツとクローバー (1) (クイーンズコミックス―ヤングユー)
羽海野 チカ (2002/08/19)
集英社
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 ハチミツとクローバー、略称ハチクロ? を読んだ。単行本全10巻。とある美大に関わる生徒や講師達が恋愛や友情、社会(仕事)を通して自己実現をしていく話。以前、深夜にアニメで放送していたときはオープニングアニメがやたら生々しくて気持ち悪かったので本編はまるで観ていなかったが、コミックスを読んでみて印象がガラリと変わった。割と爽やかなギャグ系女性向けコミックだった。女性向けコミックといっても登場人物の中心的な存在であるのは男性であり、少年漫画調のワンパク冒険譚のようなエピソードもある。

 ストーリーの構成の仕方や台詞回しと場面の繋ぎ方が非常に上手く、女性向けにありがちなポエム的なフレーズのオンパレードでありながらもスラスラと読めるテンポが担保されているのが嬉しい。

 初めはのだめカンタービレの初期のようなサークルっぽいノリのいかにもな大学生ライフが描かれているが、ストーリーが進むうちに東京でデザインの仕事に携わるトレンディドラマっぽい雰囲気が漂い始め、徐々に物語がシリアスさを帯びてくる。しかし、決して話を暗くさせない明るいギャグが本作には終始存在している。のだめカンタービレやうすた京介や木多康昭っぽいハチャメチャだけどセンスの良い笑い要素が本作を漫画として高いクオリティに仕上げることに成功している。勿論、本当にシリアスなところはきちんとシリアスに描かれており、メリハリの付け方も素晴らしい。

 もっとも、本作はエヴァンゲリオンのようなコンプレックスと自己承認欲求をテーマにしているところがあって、「青春の悩み」というものに言及し続けた結果として、客観性が担保されて地に足がついたリアルなエヴァ風現代ドラマとして楽しむことが出来るが、そこらへんで楽しめない人にとってはむしろ本作について嫌悪感を抱くかもしれない。それでも、純粋に漫画としてのクオリティの高さは楽しめるとは思うが。
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