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【本】 『メイド・イン・トーキョー』 (貝島桃代・黒田潤三・塚本由晴)

メイド・イン・トーキョー メイド・イン・トーキョー
貝島 桃代、黒田 潤三 他 (2001/08)
鹿島出版会
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 ヨーロッパの主要都市に比べて東京というのはどうも雑多で小汚いというイメージがあるが、それはどうも誤っていないらしく、ヨーロッパでは建築学を上手に利用して自国の歴史性を活かした独自の近代主義によって都市が見事に設計されているが、東京ではそんな歴史性・ノスタルジーなどはおかまいなしであるということで、近代の高度な建築技術を用いて合理性、経済効率を最短距離で追っかけていった結果、例えばスーパーマーケットの上におそよスーパーとは無関係な教習所がたまたま使えるサイズの敷地だからという理由で存在していたり、配送会社の配送所の上に社宅が積層して究極の職住環境となっていたり、競走馬厩舎の上に調教師の宿舎があって馬人同居のアパートになっていたり、トンネルの上に墓地があったり、車が走っている道路の真上に青山学院大学のテニスコートがあったり、景観お構いなしに少しでもスペースあれば自動販売機や看板を設置してみたりととにかく構成の美学や形式を無視しており、建築学の常識からすると「ダメ建築」だらけになっているという。

 しかし、大手ゼネコンや有名な建築家の手がけた建築物よりもそういう「ダメ建築」の方が東京の現状、ナマの姿を反映しているのではないかと著者らは考え、本書は東京に存在する面白い「ダメ建築」をガイドしている。経済効率こそが是としてどんな小さなスペースでも金に換え、その価値観において有効に利用してみせている東京は、見た目は確かに美しくないけれども、何気ない一角にその土地利用の執念の凄さが窺える。そういう何気ない一角、東京と、そして日本にありふれた美しくない風景は、そこに住んでいる人間達の生の欲望をそのまま切り取って実現されているところが強いのだろう。
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