【映画】 『ノー・エスケイプ』
![]() | ノー・エスケイプ レイ・リオッタ、ランス・ヘンリクセン 他 (2005/12/21) ソニー・ピクチャーズエンタテイメント この商品の詳細を見る |
隔離された刑務所の島に、上官を殺した海軍大佐が送られてくる。脱走不可能な絶海の孤島で、受刑者たちは極悪非道な一派と穏和な一派に分かれていた。両者の対立に巻き込まれながらも、彼は島からの脱出に挑む。マーティン・キャンベル監督。1994年のアメリカ映画『ノー・エスケイプ』を観た。
2022年の近未来、犯罪者を隔離する刑務所施設の経営は巨万の富を生み出すビジネスになっていた。そこでは人権に全く配慮されない厳しい仕打ちが日々繰り返されており、上官を殺した罪で送られた軍人・ロビンスはその仕打ちに対して反抗的な態度をとる。それに激怒した署長が罰としてロビンスを絶海の孤島へと送る。その島は衛星カメラを用いた最低限の監視しか行われていない無法の地であり、ロビンスと同じように島に送られた犯罪者達が略奪を繰り返す極悪非道の荒くれ者一派と常識的な村落を形成して生活を営む穏和な一派に分かれていた。ロビンスは双方の対立に巻き込まれながらも島からの脱出に挑む。
面白い映画だった。これだけ面白い映画というのは久々に観たかもしれない。ベースはアクションだが、犯罪者の人権についての問題を提起した社会的知性を備えた作品である。絶海の孤島に送られて原始的な集落を構成していくなかで、略奪を繰り返す一派があれば、極めて社会的でまっとうな生活を営む穏和な一派があるわけだが、その穏和な一派も自分達で制定した法(ルール)に従順になり、自分達も外の世界で法を守れずに爪弾きにされた存在であることを忘れて、些細な事でミスを犯した仲間を簡単に追放してしまう残酷さについて。第三者的な立場であり一匹狼的な性格の主人公の視点をうまく利用して皮肉的に描いている。逆に云えば、罪を犯した人間も極めてまっとうで常識的で厳格なルール(法)の下における集団生活を送れるということが示唆されており、アクションの激しさに熱くなるだけでなく、知的に深く考えさせてくれる。
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