【映画】 『ドラゴンヘッド』
![]() | ドラゴンヘッド 妻夫木聡、SAYAKA 他 (2006/06/23) ショウゲート この商品の詳細を見る |
高校生の少年青木テルは、修学旅行の帰り東京へ向かう新幹線に乗っていたが、静岡で新幹線がトンネルに入ると地震が発生し気を失う。目覚めると、トンネルの中で新幹線は止まっており、周りで騒いでいたはずの同級生たちはみんな死んでいる。生き残りの瀬戸アコ、高橋ノブオを見つけトンネルから出ようとするが、ノブオが錯乱するなどトラブルが続く。どうにかトンネルから抜け出るが、周辺は焼け野原のように壊滅状態であった。テルとアコは東京を目指す。映画『ドラゴンヘッド』を観た。原作は望月峯太郎原作の同名漫画。僕は原作漫画は既読。
正直言って酷い映画だった。原作にもそれほど惹かれたわけではないが、映画はとにかく酷い。原作は知的ではないというか、イデオロギーとか哲学とか諧謔とか風刺とかそういった要素が弱く、淡々と出来事が描かれていき、そして、ここがポイントなのだが、人物の描き方についても萌えとか青春とか熱血とかヒューマニズムとかそういった要素が押し出されておらず、エンタメ的な観ている側・読む側に媚びる作りではなく、その結果として個人主体のリアルな人間が浮かびあがってきていた。世界がどうなっているかという「謎」に興味を持たせつつも、一方でその淡々としたタッチに実はこの作者はあまり深いことを考えていないのではないだろうかという諦念があって、それを覚悟で一風変わったエンタメとして面白く読めるところがあった。
しかし、映画ではその原作にイデオロギー・社会性や文学性をプラスし、それをメインテーマとして掲げてしまっている。しかも、その作りが世界の荒廃と人間の荒廃のリンクというベタすぎる上にあまりに下手糞なメッセージで、観ていてその程度の低さ・チャチさに吐き気を覚えるほど。TBS的ないやらしさがまさに表れていたように思う。自然回帰や人間性回帰を僕は否定しない。むしろ賛同する方であるが、TBSや毎日新聞のいう「人間のあり方」の胡散臭さ・作為的なものを覚える。その胡散臭さを僕はこの映画から感じたし、あまりにもカルト映画過ぎて引いてしまった。
役者の方だとイカれたいじめられっこノブオ役の山田孝之が良かった。オタクとかいじめられっことか狂人とか山田孝之はそういうグロテスクな役が良く似合う。
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