【映画】 『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』
![]() | バブルへGO!! タイムマシンはドラム式 スタンダード・エディション 馬場康夫 (2007/08/17) ポニーキャニオン この商品の詳細を見る |
2007年―現在。和風タイムトラベルコメディ映画『バブルへGO!!』を観た。広末涼子主演。2007年、刻一刻と増え続ける莫大な借金を抱え、財政破綻の危機に瀕した日本。先行きの暗いこの国を救うためある計画が遂行される。それは1990年にタイムスリップし、バブル破壊という愚かな政策を止めさせ、歴史を作り変えるというものだった。
800兆円の借金をかかえ破綻の危機に瀕した日本を救うため、財務省大臣官房経済政策課の下川路(阿部寛)は、ある計画を進めていた。
それは1990年にタイムスリップし、"バブル破壊"を止め、歴史を作り変えるという仰天プラン!
その極秘プロジェクトが白羽の矢をたてたのは借金返済に追われるフリーターの真弓(広末涼子)だった。真弓はタイムマシンの開発者であった真理子(薬師丸ひろ子)の一人娘。一足先にタイムスリップした母親の真里子が90年の東京で失踪したことを知った真弓は、借金から逃れるため、そして母親を救うためドラム式洗濯機に乗り込み、タイムスリップを決行する!
果たして、下川路と真弓は真理子を無事救出することができるのか!?
下川路と真弓が繰り広げる恋のゲームの行方は!?
バブル破壊は食い止められるのか!?
タイムトラベルものとしてはあの名作『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のオマージュ的な要素が見られ、大筋の展開としてはその意味ではベタなつくりであるといえる。しかし、現在の暗い日本とバブルの頃の明るい日本という「日本ならでは」の対比、また、「現在ならでは」の時代性をユニークな発想で絶妙にそして新鮮に料理し、面白い作品に仕上がっているといえる。
借金に追われるフリーターの若い女性(広末涼子)がバブル絶頂の日本に飛び、そのあまりの景気の良さに2007年を一時忘却し酔いしれるという点がまさに本作の全てを象徴している。借金に追われるフリーターは現在の日本のメタファーであるし、現金を掴みバブルに酔いしれることであらゆる点で幸福になれるという描写、これは本作のハッピーデンド、つまり、バブル崩壊を止めて2007年もハッピーな日本という終わり方に通じるが、『国家の品格』のようなものが受ける暗い日本に対する厳としたアンチテーゼになっている。
もっとも、この作品の面白いのはそれがマジではなくて、コメディであるという点だ。ラモスがドーハの悲劇に対する忠告を貰うことでその後の日本サッカーを飛躍させ、2007年までにはワールドカップの連覇に挑むまでになるという描写があるが、そんなことはないのは現実の我々には分かっている。過去の何か一事の過ちが大きな惨劇と後遺症をもたらすことはあろうが、そればかりを責めることが本質かどうか、またその過ちを正せば本当にその後は全てうまくいったかどうか、この点についてのナンセンスさを本作はラモスと日本サッカーを用いて自虐的に、あくまでもコメディとして締めくくった、ように僕の目には映った。
ともあれ、本作は90年の風俗が巧みに再現されており、バブルと2007年の我々のジェネレーションギャップを愉快に楽しむことが出来るだけでも傑作といえるかもしれない。1981年生まれの僕にとってこの絶妙な時代間隔がなんともいえない旨味であった。
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