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【映画】 『憑神』

憑神 憑神
妻夫木聡; 香川照之; 西田敏行; 赤井英和; 江口洋介; 佐藤隆太; 夏木マリ; 森迫永依 (2007/12/07)
TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
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時は幕末。将軍の影武者を代々務めてきた由緒ある家柄の出である別所彦四郎は、幼い頃より文武に優れ、秀才の誉れ高かったが、最近は暇を持て余す日々を送っていた。ある日見つけたお稲荷様に祈ったところ、彦四郎は災いの神様を呼び寄せてしまう。不幸の神様たちに取り憑かれてしまった彦四郎の運命やいかに。
 映画『憑神』を観た。憑神は”つきがみ”と読む。原作は浅田次郎の同名小説。

 幕末という激動の時代に生きる男の話で、秀才の誉れ高い彼はその才気を閑職の中で持て余していた。時代の変動の中で機を掴んで出世をしていく者達から取り残された彼は募らせた焦燥感と不満を稲荷に祈るという行為で晴らそうとする。しかし、彼が呼び寄せてしまったのは切望していた福の神ではなく、災いの神だった。

 災いの神のトラブルに苛まされながらも、貧乏神、疫病神までは何とかやりすごすことに成功する主人公。しかし、最後に現れた死神との出会いによって自分の命の重みに気づき、死生観に目覚め、最後は将軍慶喜の影武者として名誉と誇りのために死ぬのだった。ありがちなのかもしれないが、浅田次郎らしいといえばらしいライトに仁義を通してくれる話の締め方についついニマリとしてしまう。

 死神が少女で、恋という感情を通して、主人公と死神が同化するというのも、とてもインモラルな表現で、或いは当時の性風俗のメタファー的で、少女性愛が禁忌である欧米的な価値観に染められる「未来」への揶揄、皮肉がこめられているようにも受け取れる(※死神の少女は見た目は少女だけど、実は随分長く生きているという設定が作中にて明かされているのでそんなことはないのだろうけど、読み方として)。

 しかし、要所で目を見張るものはあるとはいえ、主演の妻夫木聡を始めとした俳優陣の演技がことごとく軽すぎたのと、それに合わせるかのような陳腐なギャグのノリで繰り広げられる展開が全てと云える作品で、全体的には残念な内容といえてしまう。
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