【映画】 『口裂け女』
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27年前、子供たちを震え上がらせた口裂け女の噂。現在、かつて口裂け女の噂が発生した静川町で、再び噂が広まりつつあった。ある日、噂を確かめようと公園で口裂け女の出現を待ち構えていた少年が、何者かに連れ去られてしまった。「口裂け女が現れた!」と町の人々は怯え、小学校は集団下校をし、保護者が迎えに来るという措置をとった。京子は、担任の生徒・美佳を自宅近くまで送るが、母親の姿を見ると、美佳は逃げ出した…。1979年に日本中で広まりブームになったという都市伝説「口裂け女」をモチーフにしたホラー映画。僕も口裂け女を知ってるには知ってるのだけれども、ブームという渦の中にはいなかったので懐かしいとかノスタルジックな感傷というのはない。学校の七不思議とかトイレの花子さんとかなら子どもに時代に流行った記憶があるが、口裂け女というと自分の中で印象が弱い。
(goo映画 http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD10206/story.html)
本作『口裂け女』では口裂け女の背景に社会と家族の閉塞感・病理を以てして解釈するという風刺的な内容になっている。口裂け女が精神的な病を抱えていて児童虐待をしていたことが重要なポイントとなっており、これを社会的な病として、その病にかかるとどんな母親でも口裂け女に変身してしまうのだ。
アイディア自体はなかなか面白いのだが、作品としてはそのアイディアを尺をまるまる使って引き伸ばしただけで内容が希釈されてしまっている。例えばそれぞれのキャラクターに纏わるエピソードにもう少し手を突っ込んでみて、より深みと緊迫感を齎すなど、細かいところで配慮が欲しかった。
俳優陣ついては口裂け女(水野美紀)の動き、特にアタックに関わるアクションがあまりにも不自然で奇妙に感じたが、これは役者の力量というよりも演出手法の問題だろう。ひどいのは主演の佐藤江梨子でそのあまりのイモ演技が明らかに作品の質を貶めている。もっとも、映像演出がかなりチープなので佐藤江梨子の演技力で釣り合っていたとも云える。
ただし、チープな映像演出であっても、口裂け女の形相と大型の鋏という武器という組み合わせは中々スリルがあった。特筆すべきは、ある子どもの口が裂かれてしまうシーンと別の子どもがメッタ刺しにされてしまうシーンか。いずれも子どもが犠牲になるシーンだが、戦慄が走る。とりわけ子どもが酷い目に遭うという点において、児童虐待という社会的テーマが裏にあるとはいえ、こういった方向のグロテスクはなかなか最近では作れない内容ではないか。
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