【映画】 『トムとトーマス』
![]() | トムとトーマス (2004/12/24) ショーン・ビーン 商品詳細を見る |
リアルなストーリーをファンタジータッチで鮮やかに描く、新感覚の冒険ドラマ。不気味な悪者、強く美しい女王、そして別世界にいる自分の分身… とおとぎ話的役割を担う、リアルな登場人物たちがハラハラするラストまで一気に楽しませてくれます!『ロード・オブ・ザ・リング』のショーン・ビーンが主人公の父親を好演。2002年のイギリスとオランダ製作の映画。
画家の父親ポールとふたり暮らしのトーマス(アーロン・ジョンソン)は、会ったことのないトムという少年の感覚を共有し、自分の分身のように感じていた。周りからは空想上の友だちと思われていたが、大好きな宇宙博物館を訪れたトーマスの前に、子供の失踪が相次ぐ孤児院から逃げ出したという実在のトムがあらわれて…。
自分を養子として育ててくれている父親と二人暮しの少年トーマスは自分そっくりの少年トムの感覚を共有し、トムの味わう苦痛と恐怖をもう一つの現実として体験していた。トムの存在について周囲からは空想上の友達だとからかわれ、父親や教師もトーマスの不自然な態度に頭を悩ませる。観ている側もトムとトーマスの二重人格の設定かなと当て推量していると、トーマスの目の前に本当に自分そっくりのトムが現れる共時性から話が急展開する。双子ではないかと疑うほどに容姿が似通ったトムとトーマスがお互いに入れ替わりながら生活をしていく中で、やがてトムに間違われてトーマスが警察に保護され、児童養護施設に入れられてしまう。トムは児童養護施設を脱走した身だったのだ。児童養護施設において職員ぐるみで行われていた児童の人身売買という問題を絡めながらトーマスを救うためにトムとトーマスの父親が奮闘する。
「家族の絆」について友愛と血縁の両方向にバランス良く配分して表現したファミリー向けテイストの映画だが、児童への虐待や人身売買という重い問題をリアルな描写によって絡めることで、サスペンス的な緊迫感が演出されており、大人向けとして観ても楽しめる問題提起と迫力の作品に仕上がっている。
児童養護施設や全寮制の学校などの家庭外において子どもを預けて育てる場がやたら暗澹とした表現に落とし込まれているのは監督の意図したものだろうか。パブリックスクールなんかに対する反発がこめられているような風で、反規律で子どもの自由を尊重した時に、結局は「家庭」が生活環境の選択肢として一番妥当というのがリベラルな感覚としてありそうだ。
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