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【本】 『子どもが本心を語るとき、閉ざすとき』 (吉田哲)

子どもが本心を語るとき、閉ざすとき 子どもが本心を語るとき、閉ざすとき
吉田 哲 (2001/08)
新潮社
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 本書において、私は人間の言葉によるコミュニケーションや心の援助の微妙な働きと危うさ、実際のカウンセリングのダイナミックなプロセス、また、いざという時の「聞く」ということの大切さなどを、出来るだけ具体的、かつリアルに記述しようと努めてきたつもりである。
 カウンセラーが書いた本である。カウンセリングの状況がリアルにわかるし、わかりやすく書かれているのでこの手の心理本にありがちな専門用語やレトリックの多様によって素人には本質的な事柄がぼやけてしまうということもない。その一方で、カウンセラーが考えていることってこの程度なんだと思わず感じてしまうほどの専門性の浅さがある。

 なので、青年期の人格形成の大切な時期に起こるいじめや、家庭不和などがどれほど影響を及ぼすのかということが書かれているのを読んでも今ひとつ啓蒙されなかった。

 また、後半になると神戸の酒鬼薔薇聖斗の事件や西鉄バスジャック事件を自分で実際に取材せずに少年や両親の手記だけで推測するなど、カウンセラーの本というより週刊誌に近いような通俗的な感じになっている。

 間違いなく凡書である。世代を問わず心の病が蔓延している現代において心の専門家がこのレベルだと思うと暗澹とした気持ちになってくる。
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