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【アニメ】 『タッチ Miss Lonely Yesterday あれから、君は…』

タッチ〜Miss Lonely Yesterday あれから、君は・・・〜 タッチ〜Miss Lonely Yesterday あれから、君は・・・〜
あだち充、 他 (2001/02/21)
バップ
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 達也が甲子園に出場し、南に告白をして終わったアニメ版タッチ。その続編として作られたテレビ特別版。これがテレビで放送されたのは98年12月であったらしいから、僕は高校3年であったことになる。当時、といえば『眠れる森』という木村拓哉と中山美穂のミステリー系ドラマが人気を博し、僕自身も夢中になって視聴していた。クリスマスイブに『眠れる森』の最終話が放送されたのだが、その当日になってシナリオ本が発売され、高校の終業式の帰りによった本屋兼CDショップで、『眠れる森』のシナリオ本を購入した。それぐらい好きなドラマがあの頃は存在していた。

 そのせいかもしれないし、また、当時大学受験を控えていたなどどうしても他に気が向いてしまうという事情があったからかもしれないが、このタッチのテレビスペシャルはそれほど強い印象がない。漫画『タッチ』は大好きであったし、アニメの方も同様に好きであった。なので、本来なら気になって仕方がなかったはずであるし、確かにかつてこの目で本作を見たという記憶はあるのだが、98年だったということは憶えていなかったし、どういうストーリーだったかも大筋以外は忘れてしまっていた。

 原作から離れてアニメ独自の路線を歩んだ本作、あだち充氏が何らかのカタチで制作に加わっているのだろうが、原作そのもののあだち充くささ、原作のキレがアニメで薄まり、それをテレビスペシャル用に作った原作なしの本作は更にあだち充的なニオイが薄れていた。

 正直言って、原作ファンとしてこれが続編だといって見せられるのには抵抗がある。達也と南と明青学園の物語はコミックスに描かれたこととを基にして、それ以外、特に未来へのベクトルはファンとしての想像力で補うことのできる、またそうして楽しむことのできる最大の領域だった。本作のようにテレビスペシャという狭い枠の中に、ファンが今まで想像して創り上げたものや大切にしていたものを押し込めてしまうというのは、全て壊してしまうのではないかと危惧した。そして、高校の頃の僕は実際に本作を見て、何かを壊され、裏切られたように感じたのだと思う。

 本作は達也がエースとなって活躍した原作から3年後の世界を描いてある。達也は野球をやめ、モラトリアムの大学生活を送っている。南は新体操の選手として活躍をしていた。

 原作からつじつまの合わない設定ではないのだが、それがあまりにもあっけなく描かれている。高校生当時はそれがすごく残念だったのだろう。しかし、今回改めて見てみると結構楽しめた。

 本作のほとんどを占めるのは達也のモラトリアム生活であり、その領域の中にテレビスペシャル用のキャラクターである水野カオリが入り込み、南との関係が引っ掻き回され、そこに新田が加わるという、かつてのかわいい新田由加全盛の頃と同じ展開になっている。水野カオリが今ひとつの魅力であったのでそのあたりは残念であったが、浅倉南が大人っぽくなり、すごく魅力的に表現されているのは嬉しかった。また、新田や西村などそれまで原作に出ていた著名なキャラクターが勢揃いをするのだが、その中で特に西村がかなり良い役どころを担ってくれるのが西村好きとしては嬉しい。プロに進んで活躍していた西村がヒジを壊して打たれ、野球から退いてしまうというのは明らかな原作のオマージュであるが、それを目にした達也が奮起していくという、そこまでがオマージュとなっていて面白い。
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