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【本】 『仄暗い水の底から』 (鈴木光司)

仄暗い水の底から 仄暗い水の底から
鈴木 光司 (1997/09)
角川書店
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たとえ出口なしとわかっても、ばくぜんとした出口を求め、進まなければならないときがある。
 水をテーマにした短編ホラー小説集。収録されている7作の小説に出てくる「水の恐怖」はどれも都市、もしくは都市的なものを土台にしている。一つ一つの短編はどれも構成が見事であり、短編で終わってしまうのが惜しいほどであった。また、短編集ではあるが、プロローグとエピローグが設定されており、最後の収録されている「海に沈む森」とリンクしているのが、最後の最後で人と人との縁によって「都市的なもの」の負のスパイラルが断ち切られていて感動的に仕上がっているのもよかった。

 直接的な恐怖が感覚器官に訴えてくる小説ではないのだが、近代の人間社会に「水」という自然の恐ろしさがオカルトとして忍び寄る様は、業深い我々の生活のあり方を考えさせられ、心は熱くなりつつも徐々に背筋が冷えてくるという不思議な小説であった。

 なお、映像化された同名映画は本書に収録されている短編「浮遊する水」が原作であるが、映画は「浮遊する水」を膨らませて作ったものであり、原作の方はあくまでも短編で映画ほど話が作りこまれていない上に、具体的な顛末も描かれていない。よって、映画で興味を持って本を手に取るとやや肩を落としてしまいかねない。映画はよくも原作の恐怖度を増して表現してみせ、また、話もうまく作りこんだと思う。原作を台無しにした映画は枚挙に暇がないが、原作をより高いレベルに設定して映像化に成功した映画というのは珍しいのではないか。
見ましたねぇ、これ。映画で。
ちょっとラストがかわいそうな感じがしたのを
覚えています。
機会があれば本を・・・と思いながら
なかなか読めずにいます。
2006/10/23(月) 09:52:52 | URL | いくちゃん #-[ 編集]
>>いくちゃんさん

そう、あのラスト、少し切なかったですね。でもあの時の黒木瞳、すごく魅力的でしたね。ミっちゃん(幽霊)も幸せだったのでしょう。

水の事故って想像するとすごい恐怖ですね。今年の夏にプールの排水溝に吸い込まれて死んだ女の子がいましたが、すごく苦しかったでしょうね……。
2006/10/24(火) 10:56:33 | URL | コウイチ #-[ 編集]
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