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【映画】 『キッチン』

キッチン キッチン
川原亜矢子 (2002/06/25)
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 吉本ばななの同名小説が原作になっている映画。原作小説は未読であるし、吉本ばななの小説は高校の頃、現代文の教科書に掲載されていた『TUGUMI』に目を通しただけだ。その『TUGUMI』も内容はほとんど忘れてしまった。有名な作家であるし、読もう読もうと思いながらも未だに手をつけずにいるのは、恐らく高校の頃配られた図書新聞に掲載されていた不細工な女子文芸部員の文章が原因だと思う。吉本ばななが大好きで毎夜吉本ばななを読んで枕を濡らしてから眠ると書いてあった。普遍的事実になると思うが、進学校以外の文芸部というのは不細工しかいない。進学校に通えるだけの学力もないのに文芸部なんてものに入る人間のセンスのなさが顔に滲み出るからだと思う。そんなわけで、僕は吉本ばななを読んでしまったら、そういう人間になってしまうのではないかと恐れたのだ。

 というのは冗談だが、巷に於いて吉本ばななの作品を評するときに使われる「綺麗」とか「透明」といった言葉や若い女性という自分の属さない特定のカテゴリーに支持されているということに対して少し距離をとってしまっているのは間違いない。

 さて、映画の方であるが、祖母が亡くなり孤独になった女性が一緒に住まないかと声をかけてきた男性の家に住み、その男性の母親は実は女ではなくて男、つまりオカマという設定で、主人公の女性の天然な性格といい、世界観といい、どこまでが本気なのかよくわからなかったが、Amazonレビューを見ると、評判が良いみたいなので人によっては、特に吉本ばななファンにとっては楽しめる映画なのかもしれない。

 僕は楽しめなかった。原作を読めばまた話は違ってくるのかもしれないが、恐らく原作小説のセリフをそのまま抜き出してきたであろう映像化には適さない不自然なセリフまわしと川原亜矢子ら役者陣の素人くさい演技が作品全体をもっさりしたものにしてしまっていたと思う。とはいえ、若い女性に支持される本質的に普遍な日常を描くにはそのもっさりとした空気こそが適しているのかもしれないが。
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