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【本】 『仮面の告白』 (三島由紀夫)

仮面の告白 仮面の告白
三島 由紀夫 (2003/06)
新潮社
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 仮面をかぶるという素面を隠す行為はそれが現実に適応できない素面を調節するためにかぶせるものであれ、素面の自分とは違う自分を演じたいという扮装欲であれ、れっきとした素面の自分を確認した上での行為である。しかし、そもそもその素面こそが仮面であるのではないか。自分が素面だと思いこもうとしているものは実は真の素面を背後に逃がしておくための仮面ではないか。では真の素面とは一体何であろう、と追究していく小説が『仮面の告白』であった。

 「死」を求めて軍隊に入隊するつもりであったのに、「生」に執着するために身体が無意識に軍隊から逃げ出すようにして遠ざかる矛盾。それは根源的な「生」への欲求に他ならないが、一方で逞しい男性を見ると、その男性が血で彩られ美しく死んでいく様を欲求している。女性に対して恋愛感情を抱くことができるという仮面をつけてみても、男性の肉体美に対して情欲を覚える根源的な美意識には抗えない様が苦悩と共にありありと三島由紀夫の美しい文体で描かれている
「この人男みたいでしょう。でも女なんですよ、本当は。女が男のなりをして戦争へ行ってお国のためにつくしたお話ですのよ」
「女なの」
 私は打ちひしがれた気持ちだった。彼だと信じていたものが彼女なのであった。この美しい騎士が男でなくて女だとあっては、何になろう。(現在も私には女の男装への根強い・説明しがたい嫌悪がある。)それはとりわけ彼の死に対して私の抱いた甘い幻想への、残酷な復讐、人生で出逢った最初の「現実からの復讐」に似ていた。
 『想像しうる限りの事態が平気で起こるような毎日なので、却ってわれわれの空想力が貧しくされてしまっていた』と小説内で表現される戦時中にあって培われた(三島由紀夫の)強烈な美意識に思わず酔いしれてしまいそうになる作品である。
 この「仮面の告白」は、私は高校生のとき読みました。感想は……うーん、残念ながら覚えていませんね。三島由紀夫を読める能力が私に無かったからでしょう。
 「不道徳教育講座」といった軽い本は、とても面白く読めましたが…。


 三島が亡くなってから30年以上たつでしょうが、三島フリークは結構多い。
 私も今だったら、三島由紀夫の真価が少しは分かるでしょうか?


 そうそう、「走れ!タカハシ」借りてきました。ちょっとビックリ。対談集ではないんですね。勝手に思い込んでいました。
 読み終えてブログに載せたら、TBさせてもらいますね。
2006/07/12(水) 11:54:21 | URL | kei #-[ 編集]
>>keiさん
「走れ! タカハシ」どうでしょうか! 僕の中では村上龍作品の中で相当に好きな作品です。感想楽しみにしてます。TBは記事の方にリンクされていないと出来ない仕組みになってしまってますが、よろしければ是非お願いします!

三島由紀夫は好き嫌いが分かれそうな作家ですね。三島由紀夫が大嫌いだったという太宰治なんかもそうですけど、人間の弱さ・脆さが前面に押し出されてますからね。僕は太宰も三島も好きです。三島や太宰のように時を越えて多くの人に愛される作家が今の日本にいるだろうかと考えると太宰・三島がいた時代に息を吸えていた人間は羨ましいなあと考えてしまいます。
2006/07/13(木) 07:37:40 | URL | コウイチ #-[ 編集]
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