【本】 『勝つ日本』 (石原慎太郎・田原総一朗)
![]() | 勝つ日本 石原 慎太郎、田原 総一朗 他 (2002/11) 文藝春秋 この商品の詳細を見る |
2000年に刊行された本であるが、対米関係・対中関係、そして日本という国を自立させ、普通の国にするための戦略提言は、石原慎太郎・田原総一朗両パート共に今読んでみてもさほど古さを感じさせない、先見性に富んであった。田原氏が記述しているが、グローバル化の流れの中でのスタンダードはあくまでも自分達の流儀であると僕もそう思う。余談だが、僕は護憲派ではないが、田原氏の言うグローバルスタンダードの意味において護憲という選択ももう少しリスペクトされるべきであると考える。本書における石原氏の言葉を援用しつつ書けば、日本は多神教であり、本来日本はもっと文化的価値観に幅があるべきだろう。
ただし、石原氏の移民受け入れ賛成論と田原氏のスウェーデンを真似た少子化対策には賛成しかねる。ここらへんは本書とほぼ同時期に刊行された『石原慎太郎 日本を変えるリーダーシップ』(竹村健一)における東京への一極集中・集積による効率的な投資という話もそうだが、やや古さを感じさせる。『あの金で何が買えたか』(村上龍)で東京への効率的な投資については竹中平蔵が同じこと言っているのだけど、やはりあの頃というのはネオリベ的な考えが席巻していて、あれが新鮮な響きで、あえて良く言えば柔軟な発想で幅の広い価値観を有する石原慎太郎は感化されたのかもしれない。まあ、強い東京というのは本人の持論なのだろうけど、五輪関連の氏の意見と最近明るみになった不祥事はどうしても「古さ」を感じてしまうのだ……。
もっとも、だから地方再生だといってみたところで、肝心の地方自治体が未だにありえないことにお金を使っている体質なわけで、市原市周辺なら長柄のアウトレットコンサートが良い例だが、どう考えても失敗するものに平気で税金をつぎ込むようなことをしている。外から厳しい圧力をかけるか夕張状態にでもならないとわからないのだろうな、という有様であるのも事実だからなあ……。この点は行政をチェックする意味でエリート市民が必要だろう。その部分ではリベラル的な考えを支持したい。
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