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【映画】 『ストレイト・ストーリー』

ストレイト・ストーリー ストレイト・ストーリー
リチャード・ファーンズワース (2005/03/02)
ポニーキャニオン
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 アルヴィンは齢70を超える老人。ある日、アルヴィンのもとに仲違いをしていた兄が脳卒中で倒れたという報せが入る。アルヴィンはトラクターで遠く離れた兄のもとへ向かう旅に出発する。実話をもとにしたロードムービー。

 うーん、どうだろうか。アルヴィンが旅の途中で触れ合った人々に自分のことを語りかけることによって輪郭がぼやけていた「旅」について徐々にピントが合うという手法がとられているが、背景に広がる壮大な穀倉地帯とマッチするかのようにのどかな雰囲気は積極的に行間を読む姿勢を要求してくる。それでいて脚本自体は際立っていないのだから、映画の雰囲気とは逆に、観ている側としては疲れる映画だった。

 ただ、これは『嫌われ松子』なんかにもいえるが、人というのは年齢を重ねれば、後からその人の歴史を追った時にそれなりにドラマ性を帯びるもなのだ、とは感じた。2007年問題の2007年になった現在、団塊の世代が日本をおかしくした、バブル入社世代は役立たずの不良債権、ポストバブル・ロストジェネレーション(失われた世代)は意欲がない、ゆとり世代は頭が弱くてモラルもない、などなどと世代論的な言説の熱がピークに達しつつある感があるが、僕個人としては前提として年を重ねた人には敬意を払いたいと思う。

 また、アメリカの人々の温かさが伝わってきた。日本はムラ的共同体の社会だといわれるが、本作で描かれているアメリカ人の優しさ、困っている老人を歓迎して自分の土地に置いてやるなど、土地に余裕があることからくるおおらかさだろうか。本作を観るとアメリカの方がずっと共同体的ではないかと感じた。共同体というのは、満員電車でギュウギュウ詰めにされることを我慢したり、肩と肩が触れ合ったときに傍若無人に振る舞うことを強制するものではない。日本の田舎はムラだといわれるが、僕から言わせれば東京ほど悲惨なムラはない。
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