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【本】 『RPG幻想事典』 (早川浩)

RPG幻想事典 RPG幻想事典
Nikov、早川 浩 他 (1986/12)
ソフトバンククリエイティブ
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 テーブルトークRPGというものを知っているだろうか。普通、僕ぐらいの世代がRPGと聞くとドラクエやFFなどのコンピューターRPGを思い浮かべるが、テーブルトークRPGは本書『RPG幻想事典』でいうところのボードRPGであり、テレビゲーム側が処理してくれるものを淡々と操作するのではなくて、冒険の世界や目的からキャラクターまで生身の人間が創造して演じるゲームである。

 僕がテーブルトークRPG(ボードRPG)の存在を初めて知ったのが中学生の頃だった。当時、同じクラスのオタクチックな奴らが興味を示していて、『GURPS』なんかを読んでゲームつくりに励んでいたのだ。その時におおまかにテーブルトークRPGというゲームがどんなものなのかというのを知った。RPGというとドラクエとかちょっと高度になってもウィザードリィのようなものだと思っていたから、テーブルトークRPGのように自分達で一から(といっても予め魔法や武器・モンスターは設定されている本が売られていてそれがGURPSだった。つまりGURPSに書いてあるのはこの武器は攻撃力いくつとか、モンスターのステータスとか、キャラクターの性格についてとかそんなことのデータだけだった)シナリオを作り上げるゲームには正直ショックを受けた。プレイヤーは自由に行動をすることができ、その行動を想定しつつうまく処理していかなければいけないゲームマスターの大変さや、何よりもキャラクターになりきらなければいけないプレイヤーの気恥ずかしさを察して僕は結局今に至るまでテーブルトークRPGプレイする機会に恵まれていない。

 だが、本書『RPG幻想事典』を読んでテーブルトークRPGに魅力を感じ、プレイしなかったのは勿体ないと感じるようになった。本書はテーブルトークRPG(ボードRPG)の奥行きの深さと幅の広さと無限の可能性を秘めた楽しみについて魅力的に紹介されている。また、RPGの幻想的な世界の背景的なものを作り出すのに大きく影響を与えているという『アーサー王伝説』と『指輪物語』の概略や神話とRPGの世界との関わりが分かりやすく説明されている。
ウィッチ
【WITCH】

 ウィッチとは魔女のことである。魔女というのは、女の魔法使いという意味ではない。中世ヨーロッパにおいて、夜中にホウキに乗って空を飛んだり、怪しげな薬を作ったりしていた、あの魔女のことである。悪魔と契約して魔法を使わせてもらうかわりに、世の中に悪をまきちらす邪悪な存在である。
 キリスト教がヨーロッパに広がるにつれ、魔法を使うのは神を冒涜することになっていった。おかげで、それまでの祭司のような地位にあった魔法使いは、いっきに邪悪な存在になってしまった。
 これは、北欧神話のオーディンの使いであったヴァルキリーが、キリスト教の影響で魔女になったことと、軌を一にする。
 ちなみに男の魔女(?)はウォーロック(WARLOCK)と呼ばれている。
 魔女はよく黒猫を飼っているが、あの黒猫は悪魔と契約したときに、悪魔が魔女の助手としてつけた小悪魔である。インプ(IMP)と呼ばれる小さい悪魔で、魔法を使えるわけではない。ただ、悪魔との契約を守って悪いことをしているかどうか、監視しているのだ。
 魔女の魔法というと、最初に思いつくのは人を呪い殺すことである。これにはワラ人形を使うのが一般的で、ワラの中に呪いたい人間の髪の毛を入れ、ワラ人形を痛めつける。ワラ以外にも、ロウや粘土で作った人形を使うこともある。
 このほかにも、人を殺して心臓を食べてしまった後、心臓のあった場所にワラを入れておき、その人間を生かしたままにするという魔法もある。心臓がワラになってしまった人間は、やさしさが失われてしまうといわれている。まさに悪魔のなせる業といえるだろう。
 なお、この魔女が金曜日の晩に集まって悪魔とともに開く集会はサバトと呼ばれていた。
 上記のようにRPGによく登場するモンスターについての説明も豊富である。だいぶ古い本なので、現在では恐らくこれよりもずっとわかりやすくレベルの高い本もあるかもしれないが、ボードRPGのことだけでなく、普段何気なく接しているコンピューターRPGの幻想世界の背景的なことや、よく見かける名前の由来などについて入門的に読む本としても本書はおすすめである。
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