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【漫画】 『DEATH NOTE』 (大場つぐみ・小畑健)

Death note (1) Death note (1)
大場 つぐみ、小畑 健 他 (2004/04/02)
集英社
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 前から読もう読もうと思っていたコミックス『DEATH NOTE』をようやく本編完結分までである全12巻を読み終えた。映画版は前編the Last nameともに観たし、アニメ版の方もちょこちょことチェックをしているのだが、肝心の原作をそれらの後を追うようにようやく読み終えることができた。

 評判通り、漫画なのに吹きだし・背景問わず文字が沢山詰まっていることと、現代を舞台にしながらデスノートと死神関連以外の設定にリアリティを求めた作品にあって主人公がダークヒーローであり、警察などの社会正義と相対するところは少年漫画としては異色であった。

 文字が多いのとキャラ間の心理的駆け引きや各個人が状況整理を繰り返すので重なる説明が多々あり、くどさと読み辛さを感じたが、一方でそれだけ詳細に各個人の思惑・心理を描いたおかげで考え方や立ち位置の差異が浮き彫りになり、キャラクターの個性がそのキャラクターの考え方・捉え方そのものから際立っていたのがよい。

 とはいえ、あんまりにも細かく物事を捉え、描写し、知略に知略をめぐらせあう話なのに、キーとなるデスノートが超現実的すぎるうえに大雑把すぎる設定、例えば名前を書かれた人間は死ぬ、の名前が本名でないといけないというのが物語の重要なポイントであるが、本名とはどういう定義で本名なのかというのが今ひとつよくわからなかった、どこかに正式に登録した名前だとしても改名だってできるだろうし、Lという名前だってずっとそれで通してきたならばもうそれが慣用的に本名になったっていいわけじゃないか(メロなどは本当に頭が回るなら改名しておくべきだったのではないか)、などとつまらない疑問がわくのだった(どこかに回答出てるのかもしれないが)。

 また、世界が安易にキラに傾倒してしまうという世界観も首を傾げざるを得ない。死んだのが犯罪者のみならばわからないでもないが、FBIだって多数死んでいるし、ヨツバキラの火口のように私利私欲で殺していたケースもあるし、キラは日本人もしくは日本に潜伏している可能性が高いことはLではなくても、ネットが普及している情報社会を考えればわかりそうなものだが、それでも国単位でキラに傾倒などということが起きてしまうところに違和感があったにはあったが、もっとも、フィクションであるし、漫画・エンターテイメントであるし、大袈裟な設定が却って本作が提起する問題を浮き彫りにしているともいえよう。しかし、やはりキャラ間のやりとりが細かすぎるほど細かいが故に背景の大雑把さが気になった。

 個人的には、夜神月がデスノートを手に入れて新世界の神として犯罪者を裁き出したところからLが登場して夜神月を追い詰めるところまではすごく楽しめた。ミサが第二のキラとして登場してからは話の緊迫感が弛緩し、ご都合主義的な展開に退屈してしまったが、それでも少年漫画で、いや、漫画で、エンターテイメントで、これだけのクオリティの作品はそうはないだろう。本当にレベルが高い、大ヒットするのがよくわかる作品だった。
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