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【本】 『ゴーマニズム宣言1』 (小林よしのり)

ゴーマニズム宣言〈1〉 ゴーマニズム宣言〈1〉
小林 よしのり (1999/04)
幻冬舎
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思想・言論界のみならず、日本社会をリードし、動かし続けてきた「ゴーマニズム宣言」。二十世紀最後の十年間はまさに「ゴー宣」の時代だった。直観知の巨人・小林よしのりが放つ全四十八章には、差別、宗教、個と公、国家、戦争…のちに社会現象を巻き起こす様々な主要テーマの萌芽がすでに見てとれる。神話の幕開きを飾る第一巻、待望の文庫化。
 小林よしのりが自身の直感知や主観とそれを正当化する論理を駆使して世間の物事をギャグ漫画形式でバッサリと切り捨てていく本。ギャグ漫画としてのセンスの良さと氏の頭のよさで、少ない紙幅の中で無茶苦茶な主張をそれなりに説得力持たせてゴーマンかましているのが中々面白い。

 ただ、格好よくないというかオタクくさいというか、それは国粋主義的な考えや小林よしのりの容姿がそうなのではなくて、例えば村上龍やビートたけしなら自分は所詮作家だからとか所詮芸人だからと、韜晦というか謙遜というか自虐的に紹介できるけど、本書で云えば小林よしのりはそういうことは絶対しない。ゴーマニズムということもあるし、自分と自分の職業に自信があるのも結構だけど、その気丈さがかえって漫画家として漫画を描いていることへのコンプレックスを感じさせてしまう。権威主義を否定しつつ自分と自分の漫画に権威を持たせようとするところ、ロリコンは精神異常だと切り捨てる割に日本を鎖国させてオタクの国にしろという主張、彼にとっては漫画が飯の種なのだから仕方がないとはいえ、そうではない本気くささ、どこかコンプレックスにまみれたオタクくささを感じてしまうのだ。ネット右翼・オタク右翼(左翼もあるけど)という俗語からは、在日特権とか部落とか日本海とか竹島とか憲法とか人権擁護法案とか、そういうのに真摯に向き合って国のことをものすごく考えていて正義感と公共心が漲っているようにみえて、実のところ、一番重要なのは漫画でありアニメであり美少女キャラであり萌えでありロリでありコミケでありポルノ同人誌であり、それらに少しでも影が及ぶとそれこそ国を売る選択をしかねないカルトのような存在というイメージがあるが、小林よしのりは残念ながらそういう気持ち悪さを醸してしまっているように感じる。

 ところで、本書には「おこっちゃまくん」という、子どもからこんなことで怒ったという投書に対して小林よしのりが一緒になって怒ってやるというコロコロコミックで企画連載されていたものが収録されているが、ちょうど僕がコロコロコミックを買っていた時期と重なっていた企画で、ああ、こんなネタあったなあと懐かしく読むことができた。
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