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【映画】 『バベットの晩餐会』

バベットの晩餐会 バベットの晩餐会
ステファーヌ・オードラン、アイザック・ディネーセン 他 (2000/04/19)
ポニーキャニオン
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1987年のアカデミー賞外国語映画賞を受賞、19世紀後半のデンマークを舞台にしたヒューマンドラマ。監督は、デンマーク出身のガブリエル・アクセル(『アムール』)。原作者も同じくデンマーク出身で、『愛と哀しみの果て』の原作者として知られているアイザック・ディネーセンです。質素な生活を送るプロテスタントの村人と、フランスからやってきたカトリックの女性との交流を描いてます。見所は一夜限りの豪華なフランス料理が並ぶ晩餐会。“食”という芸術を堪能出来る作品です。

厳格な牧師の父の元に生まれた姉妹マーチーネ(ビルギッテ・フェダースピール)とフィリパ( ボディル・キュア)。小さな漁村で暮らす美しい姉妹には、若い士官ローレンスやオペラ歌手パパンが求愛したが、ふたりは質素な暮らしを求めて愛を拒み独身を貫いた。ある嵐の夜、そんなふたりの元にフランスから革命を逃れて、パパンの紹介状を持ったバベットという女性が訪ねてくる。ふたりはバベットを家政婦として雇うことに決めるが…。
 1987年のデンマーク映画。アカデミー賞外国語賞を受賞。19世紀後半のデンマークを舞台にしたヒューマンドラマで、厳格な牧師の元に生まれた二人の姉妹と姉妹の元に家政婦としてやってくるバベットのストーリー。

 二人の姉妹は若い頃に美しさに評判があり、多くの男に求愛されたが、厳格に宗教の教えと規律を守り、質素に暮らすことを求め続けて独身を貫いていた。厳格だった父がなくなった後も、父と主の教えを守りながら二人は老いていく。ある日、二人のもとにバベットが家政婦とやってくる。やりくりが上手なバベットが来たことで二人の生活は少しだけ余裕が出来るようになる。それから14年後、変わらぬ生活を続けていた三人だったが、バベットが宝くじで大金を当てる。二人の姉妹は、バベットが大金を手にしたことでバベットが自分達の元を去ってしまうであろうと嘆く。更に、二人はバベットによる、祝いの日に是非ともフランス料理を振る舞いたいという申し出を受けてしまい、嘆きは更に深くなる。敬虔の念に基づき、二人は食事に参加する信者達に美食を味わってならないと説く。しかし二人と信者達はバベットによって目の前に出されるフランス料理に舌鼓を打ってしまい、次第に心を奪われていくことになる。実は二人のもとにやってくる信者達は年を取るにつれ気が短く、そして気難しくなっていって信者間でいざこざが絶えなかったのだが、バベットの美食によって心が満たされ、信者達は互いを寛容していくことになるのだった。そこに更に姉妹の若い頃の思い出の恋慕のエッセンスも加わり、豊かな食と恋愛の素晴らしさに姉妹が気づく。しかし、ここで普通の人間はそんなに楽しいことがあったのにそれを今まで体験できなかったなんて不幸だと後悔や憐憫を自身やあるいは他者に向けてしまいがちだが、二人はそうではない。それに気づいた後、尚、自分達が選び取った道に誇りを持ち、再び高潔な選択をするのだ。そして、バベットもまた同様であった。実はバベットは二人の姉妹と信者達に用意するフランス料理のために宝くじで当てたお金を全額使ったのだった。得た富を分け与え、心を豊かにさせる美食を用意したバベットもまた深い敬虔に基づいていたのだ。そして、三人は再び高潔で質素な生活を送る……。

 いい映画だった。いい老人が出ていた。いい女が出ていた。惚れそうだった。朝から晩まで色恋のことを考えてアンチエイジングとやらに精を出すことが現代女性にとって良きこととされているような風潮の中で、本作は一粒の清涼剤だった。
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