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【映画】 『ロープ』

ロープ ロープ
サー・セドリック・ハードウィック、ジェームズ・スチュワート 他 (2006/12/14)
ファーストトレーディング
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マンハッタンの摩天楼が一目で見渡せるニューヨークのあるアパートの一室殺人は夕方、この部屋で行われた。フィリップとブランドンという大学を出たばかりの青年2人が同級生だったデイビットを絞め殺して、死体を衣装箱に入れたのだ。動機など別にない。ただ自分たちがずば抜けて人より秀れていることを試したかったのだ。2人はもっとスリルを味わうために被害者の父、恋人、被害者の恋仇だったケネス、伯母、青年たちの先生だった大学教授を招いて晩餐会を催す。死体入りの衣装箱の上にごちそうを並べて皆に食べさせたり、殺人に使ったロープで幾冊かの本を縛って父親に贈ったりして、腹の中で優越感を味わっていた。時間が経つにつれて、フィリップは犯した罪の恐ろしさに次第に冷静さを失っていくが…、ブランドンは鋼鉄のような神経の持ち主で、教授がかつて世の中には法律など超越した超人がいてもいいといった言葉を思い出し、彼は死骸を教授に見せてやりたいというヒロイックな衝動にかられる。2人の異常さに感づいた教授は…。
 ヒッチコックのサスペンス映画。ミステリー要素は特に無く、ドストエフスキーの『罪と罰』に感化されて、選ばれた人間は劣った人間を殺害することができると考えた二人の青年が、特に殺す動機はないままに友人をロープで絞殺するところから舞台は始まる。舞台、そうまさにこの映画はまるで舞台を観ているかのようだった。一台のカメラでアパートの一室を淡々と延々と撮り続けているのだ。二人の青年が友人を絞殺して衣装箱に死体を隠すところ、そして死体の隠された死んだ友人の関係者を呼び寄せて催されるパーティー、死体の入っている衣装箱の上に燭台や料理を置き、談笑に耽るパーティーの参加者達……、この映画は全てのシーンがアパートの一室で切り取られている。更にすごいのはストーリーの構成上やむなく区切られる場面以外は1台のカメラで延々と撮影され続けておりカットがないところだ。1台のカメラでカットすることなく延々と追ったヒッチコックの演出手法とカメラに追われるままに長丁場の演技を見事にこなしてみせた役者達の圧倒的な力量が見事に融合して作品に緊張感をもたらしている。カットがないからといって、演技や描写が大雑把になっているわけではいない。カメラがピントを合わせた人物以外も邪魔にならない程度にカメラ外で自然に雑談を交わしていて作品に臨場感と迫力を与えている。むしろ、ここまで細かいところに気を遣ってある作品は、カットだらけのツギハギ作品の中にも、最近のあらゆる面で洗練された作品の中にも、なかなかないのではないだろうか、と考えてしまう。

 ストーリー自体は平板である。トリックなどまるっきしない。自分(達)が選ばれた人間であり人を殺す権利があると考えた彼らに対する説得も陳腐だった。しかし、それだけに、ここまであらゆる要素が平凡な作品を演出手法のみで観ている側を楽しませてみせたヒッチコックはさすがであると言わざるをえない。
 こんにちは。

 私は今、宮部みゆきの「模倣犯」を読んでいるのですが、この映画とよく似ているので驚きました。

 いままで宮部みゆきは数冊しか読んでいませんが、その中で一番面白いです。
 映画化もされているようですが、こちらの方の評判はあまり良くないようです。(私は見ていません)
 原作はすごく長いので、2時間の映画にするのは無理があるかも。
2007/05/30(水) 09:17:10 | URL | kei #-[ 編集]
>>keiさん

模倣犯、確かに似てたかもしれないですね。僕は原作を読まず、映画を、2年か3年ぐらい前の年末に深夜でやってたのを観ました。仲居正広主演ですが、評判はよくなかったですね。実際、面白くなかったわけですが、ラストのほうの仲居正広の首が飛ぶシーンだけはネタ的に見応えがありました。
2007/05/30(水) 23:42:15 | URL | コウイチ #-[ 編集]
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