【映画】 『俺は、君のためにこそ死ににいく』
![]() | 俺は、君のためにこそ死ににいく (出演 岸恵子 、徳重聡 、窪塚洋介 、筒井道隆) () この商品の詳細を見る |
知覧で特攻隊の母と呼ばれた鳥濱トメ(岸恵子)の視点で観た特攻隊員達の姿が描かれている。この鳥濱トメさんという方は実際に存在した方で石原慎太郎が話を聞いて通訳して制作されたのが本作になる。
正直言って井筒監督ではないが、僕は石原慎太郎の小説はあまり好きではないので、この映画もつまらないのだろうな、と適当に思っていた。しかし、実際に観て、話が破綻せずにきちんとまとめられていたし、感動的なエピソードやシーンがうまく繋げられており、一本のドラマとしてまずまずの出来に仕上げられていたと感じた。
君のためにこそ死ににいくの「君」は、愛するアナタという意味だけではなく、勿論のこと掛詞、ダブルミーニングとなっていて、天皇であり日本の国体という意味を併せて持っているわけで、実際そういう話の作られ方になっている。なるほど前途有望そうな凛々しい若者が様々なものを背負って日の丸という象徴と共に命を「君」に捧げるために飛び立つシーンは感動的だ。
しかしこの映画で一番の見どころをあげるならば石原慎太郎の自我が強く主張されているところだろう。例えば特攻隊員たちの葛藤や家族の引き止めや精神主義の極致であった軍への批判の描写、勿論(石原らしい)然るべき描写ではあるのだが、その悲しいエネルギーの矛先が然るべき場所ではなく特攻隊員たちへと向けられていてスクリーンに映る特攻隊員を苦しめていて観ていて辛かった。これまた勿論、時代背景的な設定関係が大ではあるのだが、石原慎太郎の特攻隊員へのコンプレックスのようなものを感じてしまう。それが一番露骨だったのは、ラストの生き残った特攻隊員の苦悩と生きて老いる悦びの描写だろう。石原慎太郎らしいというか三島由紀夫的というか、特攻隊員の死ねなかったという負い目に、石原自身が(時間的に無理だったとはいえ)自分が軍に入らずに戦争に行けなかったことへの負い目が重なっている。そしてここが実に面白いのだが、戦後のどうしようもない風潮を批判して死ねなかったことへの苦悩に苛まされながら、でもやっぱり生きて老いることがいいよね、というメッセージを暗に出しているのだ。これは戦争映画にありがちなメッセージではあるが、ここまで見事に割り切って、特攻隊員たちは美しく散っていった、本気で尊敬するし美しいと思う、でも老いてこそ人生、と一見相対する矛盾した考えを包含した映画もなかなかないのではないか。三島由紀夫の仮面の告白に軍に入りたいが入れなかった男が苦悩しながら、でも一方でそれによって寿命が延びたことによる本能的な悦びを感じるという描写があるが、まあ、人間ってそんなもんだよね、とは思う。
そういう石原らしいちょっと通俗的で図々しいところと変なコンプレックスにまみれた作りがこの作品における特攻や戦争を一方的に美化せずにすんでいるわけだが、その一方で作品全体を平凡な出来にしてしまっている、というか、それこそ精神論ではなく単純に石原慎太郎の作家としてのセンス・力量の問題か。
撮影前に、岸さんは「お断りします」と言ったそうで・・・
石原氏の脚本に納得できるかどうか、不安だと。
で、お会いしたんだそうです、石原氏に。
何を話したかは明らかにしていませんが、その時の懇談で
出演を引き受けたとか。
どんなお話だったのか、興味津々の私です。
今の石原氏に、若者を感動させるメッセージ性を含んだ作品は
ムリかなぁとか、私も思ってました。
ま、実際に観てからかな?
石原氏の脚本に納得できるかどうか、不安だと。
で、お会いしたんだそうです、石原氏に。
何を話したかは明らかにしていませんが、その時の懇談で
出演を引き受けたとか。
どんなお話だったのか、興味津々の私です。
今の石原氏に、若者を感動させるメッセージ性を含んだ作品は
ムリかなぁとか、私も思ってました。
ま、実際に観てからかな?
2007/06/02(土) 01:23:32 |
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いくちゃん #-[ 編集]
>>いくちゃんさん
意識としては割とニュートラルを心がけられているのでイデオロギー的にどん引きということはなさそうです。
劇場では結構泣いてる人がいましたし、ありがちな感動ドラマとしてはまずまずの出来ではあります。ただ、題材が題材なだけにそれ以上の訴えかけてくるものを僕は期待したのですが、それが(僕の感性には入ってこ)なくて、全体としては設定を活かした感動ドラマで終わってしまっています。
意識としては割とニュートラルを心がけられているのでイデオロギー的にどん引きということはなさそうです。
劇場では結構泣いてる人がいましたし、ありがちな感動ドラマとしてはまずまずの出来ではあります。ただ、題材が題材なだけにそれ以上の訴えかけてくるものを僕は期待したのですが、それが(僕の感性には入ってこ)なくて、全体としては設定を活かした感動ドラマで終わってしまっています。
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