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【映画】 『座頭市』

座頭市 <北野武監督作品> 座頭市 <北野武監督作品>
ビートたけし (2004/03/11)
バンダイビジュアル
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 北野武監督の映画『座頭市』を観た。勝新太郎主演の名作時代劇シリーズのリメイク作品である。以前、座頭市物語について書いたときに、勝新太郎の圧倒的に太い存在感にたけしでは敵わないだろうと書いた。しかし、本作を実際に観てみると、俳優ビートたけし流のシャープで鋭い座頭の市が勝新太郎とは違った魅力でスクリーンに存在していた。見事である。

 映像も美麗で、アクション(殺陣)も華麗で本格的であった。金髪頭の座頭市や散見されたコメディシーンは勝新太郎主演の名作への挑戦というよりはたけし流の照れのようにも見えたが、まずまずよかった。

 とはいえ、たけしのシャープな座頭の市に象徴されるように、瞬間的には鋭い格好よさを感じることができるものの全体的には迫力に欠け、長さの割にこじんまりとしていて間延びしてしまっていた。勝新太郎の方を観た人ならわかると思うが、話自体の質としては本作も勝新太郎の方も大した変わりはないありふれた人情時代劇なのである。映像技術などは当然に本作の方がずっと優れている。にも関わらず、勝新太郎の作品に比べて本作がずっと物足りなさを感じてしまったのは、やはりたけしの座頭の市の存在感と演技力の弱さに尽きるだろう。ちなみにたけしのライバル的キャラとして登場していた浅野忠信にも同様のことが云える。岸部一徳や柄本明といった本作で悪役を演じた名優達に主役級のキャラが存在感を食われてしまっていたこともあるだろう。

 もっとも、主役の圧倒的な存在感と格好よさを味わえたのが勝新太郎の座頭市であったのに対して、本作は意図的にたけしの座頭の市の存在感よりも作品そのものの娯楽性を追求したのだろう。肝心の娯楽作品として観ても結果的にはいまひとつな作品になってしまっているのが残念至極ではあるのだが。
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