【本】 『電車男』 (中野独人)
![]() | 電車男 中野 独人 (2006/12) 新潮社 この商品の詳細を見る |
恋愛経験ゼロのオタク青年が、電車内で酔っ払いに絡まれた美女を助けた。やがて彼女からお礼の品が!お近づきになるにはどうしたら…。困った彼はネットの掲示板に助言を求めた。意外にも、まるで自分のことのように彼「電車男」を応援する掲示板の住人たち。彼らに勇気をもらい、電車男は立ち上がる!日本中を熱狂させた奇跡の純愛物語。電車男が自ら語る後日譚のオマケ付き。もう2年とか3年とかそれぐらい前になるのだろうか。セカチュー後にブームを巻き起こした『電車男』。2ちゃんねるの独身男性板にて繰り広げられたという電車男関連のスレッドをまとめたものである。内容は、アキバ系オタクの電車男が電車内で酔っ払いから女性を救うことから始まる純愛(?)ストーリーとなっている。アキバ系オタクが頑張って脱オタして今風の女性とぎこちないデートを重ねていくわけだが、本書は2ちゃんねるの電車男関連のスレッドをまとめたサイトを更にまとめたもので、つまり、2ちゃんねるのスレッドにおいて電車男によって報告される話とそれによる2ちゃんねる住人の反応が延々と掲載されているだけなのである。もっとも、ただの掲示板の進行と侮ることもできない。電車男のゼロからのスタートであるエルメスとの恋愛の進行状況や電車男自身の悩みが事細かに掲示板(本書)に書かれているからだ。
とはいえ、正直云って内容はいまいちだった。フィクションじゃないのがウリらしいのだが(※実はフィクションという説もある)、実際に電車男騒動の時に一緒に参加してれば話は違ったのだろうが、僕のように2ちゃんねるに特別な思い入れも新鮮味も感じない男が、祭りが終わった後にちょっとどんなものかという姿勢で読んでみても、フジテレビで朝にやってた「どーなってるの?」「こたえてちょーだい」のような大袈裟な再現ものを見ているような感覚だった。それでも、ジャーゴンにより2ちゃんねる独特の雰囲気が見事に出ているのと、スレッド住人の優しさが溢れているところは良かった。あの輪の中に自分が入りたいかというと自分は間違いなく入りたくないタイプではあるが。オタクと匿名掲示板という特殊な設定でありつつも、そういうところでどこか大衆的平凡な馴れ合い臭がプンプンしていた。それがまたよいのかもしれんけども。
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