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【映画】 『間諜最後の日』

間諜最後の日 間諜最後の日
パーシー・マーモント、ロバート・ヤング 他 (2006/12/14)
ファーストトレーディング
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1916年の春、イギリスの小説家で陸軍大尉のブロディーは、情報部長Rに召喚された。彼はリチャード・アシェンデンという新しい名を貰い、スイスへ派遣された。スイスのジュネーヴにはドイツの間諜が暗躍しているので、その男の正体を突止めて抹殺せよ、というのがアシェンデンに下された使命だ。彼がスイスに着くと、アシェンデン夫人という名儀で女間諜エルサが先着していた。またアシェンデンの助手の「将軍」とあだ名の有るスパイも加わった。エルサはマーヴィンと名乗るアメリカ人と知り合い、マーヴィンはしきりに彼女に求愛した。アシェンデン等はランゲンタル村の教会のオルガン奏手がイギリス諜報部の手先となった事を知らされていたので訪れたが、一足先にドイツ間諜の為に扼殺されてしまっていた。唯一の手がかりは、殺された男が握っていた胡栗の殻の形をしたボタン一個だった。そのボタンと同じボタンの服を着ている男はケイパーと名乗るイギリス人であった。アシェンデンと将軍とは巧みに事を構えてケイパーをランゲン山登攀に誘ったのだが…
 アルフレッド・ヒッチコック監督の1935年のアメリカ映画。

 イギリスの諜報部員の男がドイツのスパイを始末するためにスイスへ派遣される。着いた先で男は自分と同じように派遣された女スパイと夫婦を装うがやがて二人は心を通わせていく。一方、任務の方はターゲットを殺すことに成功するものの、実は人違いであった。実は二人がスイスで知り合ったマーヴィンという男こそがドイツのスパイであった。マーヴィンは女にしきりに求愛をしていた。人を殺したことにより罪の意識に苛まされた女は、男(主人公)から離れ、そのマーヴィンに靡いてしまう……。

 サスペンス映画だがサスペンスといっても大したスリルは無いし、真犯人というか真のターゲットが判明したときの驚きも弱い。

 はじめは殺しを無邪気に考えていてスパイという職務に対して覚悟が出来ていなかった女が、一回の殺しの後に急にヒューマニズムに傾き、厭世的にすらなってしまう描き方に考えさせられるものはある。ただし、ここで本来のヒッチコックであれば観ている側は登場人物に感情が移入していて短絡に職務に対するプロフェッショナル精神が云々と突っ込めないところであるはずなのだが、本作では突っ込めてしまう。登場人物の存在・考えがあまりにも曖昧で、観ている側としてのめりこめないからである。

 幕の引き方もサスペンスとしての盛り上がりに欠けただけに不自然さが際立ってしまった。「やられた」でも「惜しい」でもなく、「はあ?」となってしまう。これは駄作ではないだろうか。
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