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【本】 『ゴーマニズム宣言8』 (小林よしのり)

ゴーマニズム宣言〈8〉 ゴーマニズム宣言〈8〉
小林 よしのり (2000/04)
幻冬舎
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坂本弁護士一家失踪事件を推理した第百二十五章「拉致」(「ゴー宣7」所収)に対してオウム真理教が記事の訂正、謝罪を要求してきた。これをもって著者とオウムの裁判闘争が始まる。オウム弁護士との面談、度重なるオウム本部への勧誘、不審者の影…そんな緊張が続く日々、仮谷さん拉致事件、そして地下鉄サリン事件が起こったのだった―。
 小林よしのりはオウムに殺されかけたんだよ! というのはともかく、オウムネタてんこ盛りでこれまで以上に時代を感じさせる一冊になっている。

 オウムのことよりも気になったのは小林よしのりとミスターチルドレンの桜井君との対談。小林よしのりは村上龍よろしく快楽原則(本能)に従うことを大切だと歌だけではなく実社会の平凡な人間にまで広げて主張しているわけだが、その一方で本書に於いて章を設けて不倫行為を批判している。まあ、社会(制度)の安定のために建前というものも必要だとは思うけれども、このあたりに石原慎太郎にも似たズルさを感じてしまった。罪と罰というかなんというか。宮崎駿とかはさ、映画監督のまま自然にモラルを語れるけど、小林よしのりとか石原慎太郎が真面目にモラルを語ったとき、漫画家とか作家じゃなくなるんだよな。パンと口紅の関係でいえば、自分の作った口紅という快楽を選択できない人間に対しては退屈な人間だとすごく馬鹿にして、(自分の気に入らない)他人の作った口紅を選んだ人間に対してはパンを食えよ騙されているぞという、じゃ、真面目にパン取りますといってお腹が膨らんできたら、おいおいお前そんな退屈な生き方でいいのかよって。亀井や野中みたいな退屈で安定した派閥政治の世の中じゃマズいだろって。そんで結局新しいコイズミが出るだけ。

 ただし、小林よしのりの本を読み進めるごとにその胡散臭さが逆に魅力的に思えるようになってきた。そういえば村上龍もそんな感じだったかなあ。
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