【映画】 『舞台恐怖症』
![]() | 舞台恐怖症 パトリシア・ヒッチコック、アリステア・シレ 他 (2006/12/14) ファーストトレーディング この商品の詳細を見る |
大女優シャーロットは夫を殺害。愛人ジョニーの元へ助けを求めに来た。彼女の着替えを取りに行ったジョニーはその姿をメイドに目撃され、殺人容疑者として警察に追われるハメになる。それを聞いた演劇学校に通うジョニーのガールフレンド、イブは、父親の別荘に彼を匿い、彼を罠にはめた証拠を見つけるべく、世話係に変装しシャーロットの屋敷に忍び込むのであった…。巨匠ヒッチコックが、ハリウッドからイギリスに戻り、大女優マレーネ・ディートリッヒを迎え撮影した日本未公開のサスペンス作品。いかにも英国の推理ものらしい謎解き遊びがこれほど楽しく、かつスリリングなのもヒッチ作品ならではのことで、死体がむやみやたらに転がらないのも臆病な人にはよい。その代わり、この映画には血の付いたドレスが重要なモチーフとして出てきて、モノクロ映画の強味でグロテスクさは感じさせないが恐怖はしっかり盛り上げる。主演は元レーガン大統領夫人のジェーン・ワイマンアルフレッド・ヒッチコック監督の1950年のアメリカ映画。
大女優シャーロットの夫が殺害される。遺体を発見し取り乱したシャーロットはドレスを血に染めてしまう。このままでは疑われてしまうと、愛人の男に助けを乞う。男はシャーロットの頼みを聞くが、殺人容疑者として警察に追われる羽目になる。演劇学校に通うイブは男の友人だった。イブは男に恋心を抱いていたこともあって自宅に匿うことにする。そして、イブはシャーロットこそが真の犯人でないかと疑い、男の疑いを晴らすためにシャーロットの家にメイドとして忍び込む……。
というサスペンス映画。ミステリー仕掛けで面白かった。イブが主人公として事件の謎を解いていくのだが、女の心の移り変わりで男が弄ばれるという意味で陽のイブに対して容疑者のシャーロットは陰という風に対になっている。シャーロットは愛人の男を初めから騙していたし、一方のイブもシャーロットの愛人の男に対する恋心を動機にした行動なのに探偵を気取って捜査をしていくうちに徐々に刑事の方に惹かれていき、それがラストへの伏線になっている。
ラスト、イブと男が警察から隠れて二人きりになっているうちに、真犯人は実はシャーロットではなく、シャーロットに仕組まれるままに男がシャーロットの夫を殺していたことが判明する。男は自分が無実になるためには何の動機もなくもう一人殺して自分が異常であると思わせなくてはならないと考え、イブを殺そうとするが、一緒に逃げましょうというイブに諭されイブの温かい手に包み込まれる。そして、イブと一緒に逃亡するのだが、その途中にイブにまんまと裏切られ、警察に引き渡されそうになり逃げようとした最中に死んでしまうのだった。
本作における恐怖の重要な要素は「女」であり「女優」であった。作中に幾度も女優とはどうあるべきかというセリフが登場するが、女の心の移り変わり、女の演技によって翻弄されいく男達の姿。大女優シャーロット、そして演劇学校に通うイブ、二人の女は性格も地位も違うが、女として、女優として、男達を翻弄していくのに変わりはないのだった。ああ、女は怖い。
- トラックバックURLはこちら
- http://kouichi0226.blog71.fc2.com/tb.php/912-4b5d19d0
