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【本】 『セーラー服と機関銃』 (赤川次郎)

セーラー服と機関銃 セーラー服と機関銃
赤川 次郎 (2006/09/15)
角川書店
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星泉、17歳の高校二年生。父の死をきっかけに、組員わずか四人の弱小ヤクザ・目高組の組長を襲名することになってしまった!その直後から、泉のマンションが荒らされたり、殺人事件が起こったり…どうやら、行方不明の大量のヘロインを巡って、大がかりな抗争が起きつつあるらしい。泉は組長として、セーラー服姿で敢然と悪に立ち向かう!映画化・ドラマ化等で一世を風靡した大ベストセラー小説。
 長澤まさみ主演のドラマが放送されていたのは去年の秋だったのかあ。ちょうどその頃、僕自身も旬を迎えた『セーラーと機関銃』を読もうと思っていたのだが、『死者の学園祭』の時に書いた通り、誤りで購入の機会を逃してしまっていた。ドラマも全然観なかったし、もういいかなあと思っていたが、先日に本屋で見かけて気になったらついつい買ってしまっていた。

 内容は、ひょんなことから小さなヤクザの組の親分となってしまった女子高生・星泉の活躍が描かれている。星泉の死んだ父親が残した「ヘロイン」を巡って様々な組織や人物が絡み合い、星泉が親分になってから起こっていく奇妙な出来事が徐々に赤川次郎らしいミステリ風に謎解かれて全容が明らかになっていく。

 ミステリにラノベ冒険劇が加わったという感じでスラスラ読めるものの、娯楽性そのものとしては赤川次郎作品の中でもとりわけ良く出来ている作品とも思えなかった。義侠心的なシリアスさもアンダーグラウンドさもなくヤクザという舞台をあまり活かせていないように感じた。堅気の世界と極道の世界のギャップが弱いのもちょっと拍子抜けしてしまった。もっとも、そこらへんの緩さを活かして星泉のファンクラブの男子高校生3人組が事件に首を突っ込んで大活躍する設定になっているのではあるが……。よくも悪くも赤川次郎的な軽いノリの作品ではあった。

 ところで、セーラー服と機関銃といえば薬師丸ひろ子が機関銃ぶっ放して「カ・イ・カ・ン」とセリフをキメるイメージがあったのだが、小説版では星泉は平凡な女子高生そのままで、特に突き抜けたところはなかった。薬師丸ひろ子のものだとかなりエキセントリックな風味に仕上がっているのだろうか。だとすればそちらの方が楽しみかもしれない。小説版は一応ラストに星泉が機関銃をぶっ放すにはぶっ放すが、ほとんど全てが決着した後で緊張感がほとんどないシーンでの出来事だったからだ。それ以外でもセーラー服が闘いまくるような血沸き肉踊る戦闘シーンなんてまるでなかった。そう、僕は本作にスケバン刑事のようなものを期待していたのだった……。
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