【映画】 『明日の記憶』
![]() | 明日の記憶 渡辺謙 (2006/10/21) 東映 この商品の詳細を見る |
『トリック 劇場版』の堤幸彦監督が、山本周五郎賞を受賞した荻原浩の同名小説を渡辺謙、樋口可南子共演で映画化したドラマ。若年性アルツハイマー病に突如襲われた50歳の働き盛りのサラリーマンと、そんな夫を懸命に支えようとする妻との絆を綴る。堤幸彦監督、渡辺謙主演の映画『明日の記憶』を観た。
働き盛りの中年サラリーマンが若年性アルツハイマー病に蝕まれていく様を描いた作品である。現在からすればそう珍しい作品ではないのかもしれない。しかし、アルツハイマーは原因がまだ分かっておらず、治療法も確立されていない中で、患者が絶望的な苦境に立たされていく姿は「いつか自分も……」と考えると、空恐ろしくなり、ついつい食い入るように観てしまう。
この手の作品ではアルツハイマーに蝕まれていく本人の苦悩もそうだが、何と云ってもそれを支えていく存在が作品をキラリと感動ものに輝かせている。ある作品ではそれが恋人だったり、ある作品では配偶者だったりする。本作では、渡辺謙演じる中年サラリーマンの妻(樋口可南子)が懸命に夫を支えようとする姿に心を打たれる。勿論、清々しい面だけではない。今まで仕事にばかりかまけて家庭を顧みてこなかった夫に対し、愛憎が入り乱れ、溜まっていた不満・ストレスが噴出するシーンもある。現代の「お父さん」にとっては非常に痛いところを突かれるところか。
最後は自分の妻の存在すら忘れた夫とそれでも妻が夫と一緒に歩くシーンが若かりし頃の恋人のシーンの幻想に重なりながら、雄大な自然に包まれて終わる。全てを忘れてしまうという絶望と結局施設に入ることになるというやるせない現実的な幕の閉じ方ではあるが、最後の最後まで献身的な妻の姿に、夫婦の絆に、一縷の希望が表現されていたので観ている側として落ち込まずにすみ、むしろ清涼感すら味わえたのであった。
堤幸彦らしいトリッキーな映像演出がアルツハイマーのせいで性格が徐々に粗くなっていったり変化していく主人公の姿に合わせて巧みに使われていたのと、その演出に合わせて迫真の演技をしてみせる渡辺謙の役者としての格に思わず息を呑むほどの場面が沢山存在していた素晴らしい作品であった。
余談だが、ネットで調べるとアツルハイマーになりやすいのは肉食が多い人らしく、魚介類や緑黄色野菜をよく食べる人は相対的に疾病のリスクが低いらしい。僕も物忘れが結構あるし、アルツハイマーを決して他人事に思えない。ますます食事に気をつけようと思ってしまった。
>>いくちゃんさん
なかなか厳しい映画でしたけど、現実にアルツハイマーを患ってる人とそれを支えてる人はもっと厳しいのでしょうね。
なかなか厳しい映画でしたけど、現実にアルツハイマーを患ってる人とそれを支えてる人はもっと厳しいのでしょうね。
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