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【映画】 『富江』

富江 富江
中村麻美 (1999/06/25)
ハピネット・ピクチャーズ
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 スプラッタムービーの類かと思って観たが、グロテスクなシーンの迫力は弱かった。グロテスクなシーンに恐怖の演出を頼り切っていないというよりも演出の力量不足なのだろう、グロテスクなシーンの迫力が弱いぶんホラームービーとしての要である「恐怖」がさほど感じられなかった。

 富江が実際に自分の顔(菅野美穂の顔)を画面に出すまでは、その存在の神秘性と男を意のままに操る魔性に惹きつけられた。男達を魔性の魅力で狂わせ、月子の恋人すらも意のままに操る富江。富江と月子の関係、月子の前に富江が現れる因果が解明していくに従って、徐々に話が盛り上がっていく。月子の目の前で首のないまま動き出す富江の死体。そこから逃げ出すように駆ける月子。そこで何故か波止場に辿りつく。また、富江の死体が動いた時は闇夜であったはずであるのに、明るい昼の時間になっている。月子の精神空間の中といったような設定だろうか。その中で月子は富江をダイナマイトで爆破する。その後、富江の特徴であった目の下のホクロが月子に現れ、「あなたは私。私はあなた」という富江のメッセージと鏡の月子の隣に映し出される富江のシーンで映画は幕を閉じる。

 富江という存在の謎を多く残したまま曖昧な終わり方をしているが、映画内に富江の存在の謎を推理させてくれる場面が多くあり、原作の漫画と併せて鑑賞すれば、相当楽しめるのかもしれない。

 富江役の菅野美穂の妖艶な演技はさすがである。それだけのために観てもよいかもしれない。
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